外資系化学メーカーで昇進する方法

外資系は成果主義で、年齢、性別にかかわらず実力次第で昇進できる、と思っている方が多いですし、業種によってはそういう会社もあると思います。しかし外資系化学メーカーに限っていうと、これは必ずしも当てはまりません。保険や製薬と違い、そもそも短期的に結果が出にくいビジネスですし、個人の能力や努力よりも会社自体が持つ体力・競争力で成果が決まるという側面が強いのです。では外資系化学メーカーで昇進するためには何が必要か?代表的なものをいくつかあげます。
1. 社内コネクション
これは日本の会社でも同じですが、社内コネクション (=人脈) がもっとも重要です。上のポジションになればなるほど、社内に自分を引き上げてくれるスポンサーがいないと昇進できません。そしてそのスポンサーの権限が強ければ強いほど、昇進のチャンスは高くなります。
2. 運
これも日本の会社と同じです。どんなに実力のある人でも、運がよく無いと昇進できません。上に行けば行くほどポジションは限られていますので、何らかの事情でポジションが空かない限り昇進のチャンスはありません。たとえば自分の上司が昇進したり退職したりすると、そのポジションが空き、チャンスが生まれます。このとき何人かの候補者がノミネートされて、その候補者達のスポンサーの力関係、利害関係によって昇進する人が決まります。
3. 若さ
外資系はとにかく若い人が大好きです。逆に、経験のある年長者は過去の成功に固執するのでイノベーションを生まないと考えられており、大事にされません。これは日本の会社と全然違うところです。
4. 多様性
外資系化学メーカーは多様性を重視します。多様なバックグラウンドを持つ人はそうでない人に比べてより昇進のチャンスがあります。私が勤めている欧州の化学メーカーの場合ですと、女性、アジア人はそうでない人に比べて非常に有利です。最近では上級管理職に多様性のターゲットが与えられているため、この傾向はますます強くなっています。
5. 成果、実績
成果、実績自体ももちろん重要ですが、もっと重要なのはその見せ方です。自分は他者とは違うユニークな視点、考えで仕事をしていて、それが将来成果につながるということを積極的に発信する必要があります。つまり他者との差別化を主体的にアピールすることが重要です。