外資系企業とダイバーシティ

 日系企業とは違い、外資系企業は多様性の推進がかなり進んでいます。私が勤務する外資系化学メーカーでも以前からこの傾向は強く、昇進する社員は欧州以外の国出身の社員、女性、年齢の若い社員が多いです。2020年ごろからはこの傾向が更に極端になり、現在では昇進するのはほとんどが女性です。日本企業の役職者にずらりと並ぶ50-60代男性の顔ぶれと比べるとかなりの差を感じます。会社としては、女性や若い社員が持つ新しい視点、感性が企業の成長に不可欠だと言っていますが、果たしてこれが会社の本心かどうかは分かりません。私個人としては、会社はダイバーシティを企業のブランディングに利用している面が強い気がしています。ダイバーシティを進める先進的な企業というイメージで会社のブランド力が上がることで、同じ製品でもより高い価格で売れます。また優秀な人材の採用にもつながります。

 私が所属する組織でも、新たに昇進した女性二名がアジアのトップ、グローバルのトップに就任しました。そのうちの一人はアジア人で女性という、ある意味昇進には最強のカードを持っていました。彼女たちは会社が言っているように、形式や伝統にとらわれない従来と異なるリーダーであろうとします。会議ではビジネスの数字の話は最小限にとどめ、ハードロックをBGMにサーフィンの映像を流したり、あらかじめメンバーに依頼し録画した手品や楽器演奏などの余興を上映したりします。チームの一体感を高め、共感し合うことで成果が上がる、と言っています。 

 これらの新しいスタイルがもてはやされる一方で、私のようにベテラン男性社員が持つ経験や知識、長年にわたり培った営業スキルや人脈などはほとんど重視されなくなっています。私自身少し前までは男性であることが不利になる時代がやってくるとは夢にも思いませんでしたが、今のところこの激しい変化を楽しむことができています。ダイバーシティの流れは今後更に強くなると思いますので、この環境にいる限り、頑固ジジイにならず若い気持ちのままでいられるような気がします。

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