50歳でも伸び続ける英語力

 職種や会社のカルチャーにもよりますが、外資系化学メーカーの公用語は基本英語です。このため毎日朝から晩まで英語漬けの毎日となります。会社の資料もメールも電話もすべて英語なので、自然に英語力がアップします。日本で給料をもらいながら海外留学しているのと同じ状態なので、英語をマスターしたい人にとってはこの上ない環境です。

 実際私の場合も、41歳で入社したときと8年後の現在を比べると、英語力が大幅に伸びました。単純に英語に触れている時間が長いので、新しい単語や表現などを自然に覚えていった感じです。
 リスニングに関しては、入社前にNative speakerの話す英語だけを聞き取れるように訓練していたため、最初はかなり苦労しました。というのも、仕事でコンタクトする外国人は全員が非Nativeだったため、各国特有のアクセントが最初はまったく聞き取れませんでした。しかし徐々に慣れていき、徐々に聞き取れるようになっていました。
 基本のコミュニケーションツールはメールなので、ライティングもかなり鍛えられました。入社数年前までTOEIC480点だった私が、今では同僚の書いたレポートの添削までやっています。

Q) 電話で相手が話している英語の意味が分からない時はどうやって対処しますか?

A) 分からないのでもう一回話してくれ、と言います。もしくはこういうことを言っているのか?と確認します。

 これ最初はすごく抵抗ありました。自分の英語力が足りないから何回も聞いて申し訳ないなとか、聞き取れなくて恥ずかしいな、とか思っていました。ただだんだん慣れてくると、こいつ発音悪いな、とか文法めちゃくちゃだな、とかが分かってきます。そうすると自分の英語力の問題じゃなくて相手の問題だと思えるので、聞き返すのに抵抗が無くなります。そもそもNativeじゃないから、英語で完璧な意思疎通をすることは無理だと同僚全員が認識していますので、気にする必要は無いです。この申し訳ないとか、恥ずかしいとか、間違いを恐れる、というメンタリティは日本人特有のもので、この心理的バリアを乗り越えることがまず第一歩になります。そのためには実際に海外で暮らすか、外資系企業で働いて慣れるしか無いと思います。
 
 あともう一点、実は意味が分からなくてもなんの問題も無い場合があります。文脈から判断してある程度こういうこと言っているのだな、と判断した場合はいちいち聞き返したりしません。たとえば会議前のSmall talkで休暇の話をしていて、相手が何を言っているかところどころ聞き取れなかったとしても、いちいち聞き返したりせず適当に相槌を打っています。文脈である程度意味がつかめますし、完璧に理解する必要が無い話題だからです。
 日本人は真面目なので相手の言うことが理解できないと不安になりますが、このマインドセットを変える必要があります。ただ、私も日本人なので、完璧に理解できないと今でも気持ち悪いことは気持ち悪いです。そう思わないように日々自分を矯正している感じです。

Follow me!