二次面接

 一次面接終了後、すぐに転職エージェントから選考通過の連絡を受けた私は、アメリカ人事業部長との二次面接に向けて英語面接の練習をおこないました。当時通っていた英会話スクールで英語面接に特化したマンツーマンレッスンを受け、何度かリハーサルをおこないました。ただ入社前の私は英語の実戦経験が乏しかったため、自分の英語力にはまだまだ自信が持てない状態で二次面接の日を迎えることとなりました。

 面接場所は東京オフィスで、有名な外資系IT企業などが入居する超高層ビルの中にありました。現地についた私は、まずこのオフィスの立地と洗練された雰囲気に圧倒されました。ほんの二年前までTOEIC480点だった私が、生まれて初めて受ける英語面接です。面談部屋に通された私は、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら、面接官の入室を待ちました。ところが、面接開始予定時間を過ぎても面接官は現れません。
 
 予定時間を10分ほど過ぎ、私の緊張感が極限状態になったその時、突然会議室のドアが勢いよく開きました。そして身長190cmはありそうな大柄の白人男性が現れたと同時に慌てて頭を下げ、「すみません!お待たせしました。」と日本語を発したのです。そして次に「面接は英語と日本語どちらがいいですか?」と流暢な日本語で聞かれ、私は驚きのあまり一瞬言葉を失いました。面接官が外国人ということで、英語面接だと勝手に思い込んでいたのです。私は迷わず「日本語でお願いします。」と答え、最後まで英語を話すことはありませんでした。入社後分かったことですが、このアメリカ人事業部長の奥様は日本人で、20年以上日本に住んでおり日本語が堪能だったのです。
 
 面接の雰囲気は一次面接と同様非常にオープンで、候補者を選別するような上から目線の雰囲気は一切ありませんでした。私の経験や能力が、企業側の採用条件にマッチしているかどうか、その一点だけを確認している感じでした。この二次面接での確認ポイントは、ビジネスレベルの英語力、業界での営業経験の二つでしたので、それらが問題無いことが分かり、面接は30分ほどで終了しました。私は好感触を得て、帰路につきました。
 

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